ふうえいウラ話 4


出店妨害<完>

パチンコ店の出店妨害には、よく暴力団、エセ同和、右翼まがいといった怪しい人たちの顔が見え隠れしてきます。
 ところが、今回の妨害工作と思われるクリニック開設を調べるうちに、見えてきたのは大物代議士のバカ息子の顔だったのです。
 パチンコ店申請会社が幾度か交渉を重ねるうちに、クリニックの廃止ということで話がつきました。
 話し合いによる解決には、億単位のお金を要したようです。
 入院施設のある診療所や病院が真近にある場合には、パチンコ店などの風俗営業の許可申請は受け付けられません。手付金を打ってクリニック廃止の届け出をしてもらい、廃止の確認と同時に警察署で風俗営業の許可申請をし、申請が受理された後に残金を支払ったようです。
 手付金はバカ息子の経営する高級割烹で、営業時間前に受け渡しされましたが、その割烹の入居しているビルが、なんと警察署の隣にあったのですから、驚きました。
 クリニックの廃止届けを出したのは医師の代理人でしたが、保健所は医師本人の出頭を求め、担当官が医師に直接注意を与えたようです。
 私たちはクリニックの廃止を確認後、間髪を入れずにパチンコ店の許可申請の許可申請手続きをするために警察署へいきました。間をあけて、その間に別の診療所の届け出をされたら大変なことになってしまいますから…。
 ところが、警察の担当係長に言わせれば「クリニック廃止届けの当日の許可申請っていうのも、ちょっと…」ということで、結局、翌日の申請になりました。
 そのパチンコ店は無事許可となり、現在も営業を続けています。
 こんな事件は極秘のはずですが、どこからか漏れて流れたらしく、別件でほかの警察署窓口へ云った時、担当官から「例のパチンコ店、先生が申請したんですって?ン億円払ったんですか?こんどうちの署でパチンコ店の申請相談があったら、教えましょか?」と、悪い冗談が飛び出しました。
 それから2、3年後、出店妨害をしたバカ息子の経営するレジャー企業が不正融資に絡む事件で摘発され、その父親である代議士先生は総選挙で落選――因果応報!?
 人に迷惑をかけず、人と仲良く、こつこつ働くのが一番かもしれません。





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