ふうえいウラ話 9


8号営業−「風適法」前夜<2>

 ゲーム機業界では、外国人起業家によってスタートしたセガやタイトーが、インベーダーゲームのヒットにより、町中のゲームセンターをまさにインベーダーのごとく席巻していきました。そのほかのゲームメーカーもナムコが「パックマン」を、任天堂が「ファミリーコンピューター」を開発し、現在のような大企業へと発展していくことになります。
 ナムコは会長兼社長の中村雅哉氏が中村製作所としてスタート。デパートの屋上に子供向けの木馬や遊戯機を設置したのを皮切りにゲーム業界に参入していき、現在は映画の日活を買収したり、東京芸大や慶応代に4億円もの寄付を贈るなどして話題をふりまいています。
 ご存じの方も多いと思いますが、任天堂は花札やカルタ、トランプの製造販売をしていた会社で、マージャン牌も販売していました。自動卓が普及する以前のマージャン店では、任天堂から牌やサイコロ、ポーカーチップなどを購入していたものでした。
 その任天堂はおもちゃ類のほかにルーレット台やブラックジャック台、ポーカー台なども販売しており、繁華街のゲームセンターの片隅では対人ゲームの類似カジノゲームを楽しむ人たちもいました。
 風適法施行前の1984(昭和59)年以前の新宿や渋谷の繁華街では、早朝の5時頃までゲームセンターが営業しており、多くの若者たちがゲームセンターで朝を迎えました。
 やらない人には信じられないかもしれませんが、ゲームセンターのカジノゲームは換金が一切ないにもかかわらず、まるで碁会所か将棋センターに集まる大人たちのように、夜な夜な若者が集まり、ルーレットやブラックジャック、セブンポーカーなどのゲームを楽しんでいました。
 トランプを使って7人まで遊ぶことのできるセブンポーカーは、手持ちのカードを少しずつオープンにしながら相手の手の内を予測するという、マージャンに似たゲームのため、競技マージャンのプロたちもゲームに参加していました。
 そのようにゲームセンターが若者たちを夢中にさせているという状況があったため、「風営法の改正」で、ルーレットなどを含むゲーム機設置店が新たに8号営業として許可の対象に組み入れられることになりました。 

(次号へつづく)






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