新ふうえいウラ話 8


テレホンクラブ<3>

   ある日、友人の行政書士の手助けでテレホンクラブの事務所の図面作成をすることになりました。
 テレホンクラブには「店舗型」と「無店舗型」とがあり、そのテレホンクラブでは「無店舗型(事務所型)」ということでした。
 現地待ち合わせの約束でその事務所を訪ねると、事務所の中には簡単なパーテーションで仕切られた40ほどの小さなブースがあり、日中にもかかわらず、20人ほどの女性たちが電話で対応をしていました。
 ジーパンにTシャツなどの軽装で足を組んで電話をしている人、電話の合間にお化粧をしている人、ファッション雑誌をめくりながら電話をしている人、などなど……。絶世の美女は……残念ながら見当たりませんでした(電話の対応だけだからなのでしょうか?)。
 すでにお分かりだと思いますが、この女性たちは決して事務員さんではありません。テレホンクラブの「オペレーターさん」、平たく言えば、「サクラ」の皆さんなのです。
 もうずいぶん昔、私が学生時代にコカコーラのルートサービス(配達)の補助アルバイトをした時のことを思い出してしまいました ―― コーラの配達でストリップ劇場の楽屋口から入ると、おねえさんたちが、だらしない格好でお茶漬けをすすっていて、その周りを小さな子供たちが駆けずり回っている、そんな光景です。
 どんなところでも、裏から眺めてみると、情けない、間の抜けた光景が現れてくることがあります。
 テレホンクラブはこの4月1日から、条例(都道府県条例)の規制から外れ、風適法の規制を受ける「性風俗関連特殊営業」の一類型に組み込まれました。ソープランドやストリップ劇場、アダルトショップなどの仲間入りをしたわけです。
 テレホンクラブ営業のことを法律用語では「電話異性紹介営業」と言いますが、「店舗型電話異性紹介営業」と「無店舗型電話異性紹介営業」に分けられ、それぞれ管轄の警察署へ営業の届出をしなければならなくなりました。
 営業の禁止地区が決められ、罰金も強化され、年齢確認の義務、つまり18歳以上であることをファックスなどで確認する義務も定められました。
 でも、年齢確認なんてことが本当に実行されているのでしょうか?風適法の規制をきちんと守り、実行することほど難しいことはないのかもしれません。

(次号へつづく)






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