続ふうえい裏話 11


偽装結婚<2>

 日本の入管法??正確には「出入国管理及び難民認定法」??の施行規則の中に『在留特別許可』という制度があります。一言で言えば、オ−バ−ステイの外国人でも、特別の事情があり、法務大臣が認めれば正規の在留資格がもらえるという制度です。     第2次世界大戦の後の昭和30年代までは、終戦後いったん朝鮮半島へ引き上げた人達が朝鮮戦争の勃発などのため、家族ぐるみで密航してきた事例が多くありました。その多くは九州にほど近い済州島出身者だったといわれています。過去の植民地支配に関連して、特種事情を考慮された朝鮮半島の人達が『在留特別許可』を取得したようです。    その後昭和40年代に入ってからは、出稼ぎ目的の「密航」へと変化し、韓国、中国は言うまでもなく、タイ、フィリピン、イラン、パキスタン等アジア各地から出稼ぎ目的の外国人が来日し、多い時で30万人近い人達が超過滞在者(オ−バ−ステイ)になってしまいました。最近ではオ−バ−ステイになってしまった人の滞在期間が5年を超えるケ−スも多くなり、超過滞在の長期化、定住化が進み、当然「結婚」「出生」といった現実が増え、『在留特別許可』の為の申告(出頭)も増加してきました。そのような手続きがあるという事実が巷で徐々に知れ渡り、特に繁華街で働くオ−バ−ステイの女性達の間では、独身の日本人男性がもてるようになりました。当然のことのように、結婚をアレンジするブロ−カ−も現れ、ギャンブルで首の回らなくなった人達を捜し出しては、金銭で戸籍を貸す・・・即ち『偽装結婚』の仲介をする人達が現れるようになりました。以前入管職員から、「外国人女性と結婚する日本人男性の職業の中で、タクシ−の運転手さんがかなり多い」ということを聞きました。タクシ−の運転手さんはもてるのでしょうか? 実はギャンブル等で借金がかさみ、会社を辞め、運転免許証ひとつでタクシ−会社に就職したような、そんな運転手さんが悪−いブロ−カ−の口車に乗り、何十万円かで戸籍を貸しているようです。ある日麻雀店のメンバ−さんからそれに似た話が舞い込んできました・・。

(次号へつづく)






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