続ふうえい裏話 12


偽装結婚<3>

 ある年の10月中旬、知人からの紹介ということで、日本人男性と韓国人女性と友人の韓国人女性が私の事務所にやってきました。ソウルで結婚式を挙げ日本の区役所にも届け出をしてきたということで、入国管理局の手続きを代行して下さいとの話しでした。  彼らが持ってきた書類は戸籍謄本や外国人登録原票記載事項証明書、韓国で結婚式をした時のスナップ写真、韓国の戸籍謄本等、それにご主人の在職証明書と源泉徴収票。初めて来所した方にしては完璧な書類でした。ご主人は麻雀店のメンバ−さんで、近い将来独立をして店を構えるということでした。私はお二人の馴れ初めや韓国での挙式等の話を聞き手続きをしてあげることにしました。唯一不自然だった点は、ご主人が年齢を10歳ほどごまかしていたふしがあることです。ご主人の年齢を確認すると、韓国人の奥さんとお友達が不思議そうな顔をしました。日本人男性56歳、韓国人女性33歳の結婚でした。  完璧な書類のうえ、事務代行の手付金も置いていかれたため、早速日本人の配偶者(妻として、日本で生活をするための「在留資格認定証明書交付申請」を作成し、入管に書類を提出しました。入管への申請が受理されたことをご主人に連絡すると・・・「妻が一時帰国のための航空チケット代を月末まで貸して下さい。」とご主人がやって来ました。許可がでれば清算して貰えると思いお金を貸してあげると・・・。約2ヵ月後の12月中旬東京入管の担当官から「ご主人と連絡がとれないのですが・・・」という連絡。何か疑問点があったのでしょうか? 早速自宅や勤務先の麻雀店へ連絡をすると・・・既に麻雀店は退店。行方不明。日本人夫、2回の離婚歴。韓国人妻、日本人との結婚2回目。他にも入管の記録に芳しくない記録があったのかも知れません。韓国人妻が入管の担当官に説明に行くも、夫の行方不明が原因で在留資格は『不許可』。あまりにも完璧な書類と手際。事実関係は分かりませんが、偽装結婚と詐欺。そんな匂いのする後味の悪い申請でした





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