続ふうえい裏話 6


カジノ<3>

 ゲームセンターがまだ風俗営業の業種に含まれなかった時代 ―― 昭和50年代には、ゲームセンターの片隅にルーレット台やブラックジャック台が置かれ、明け方近くまでカジノゲームを楽しんでいる人たちがいました。
 ルーレットやブラックジャックの腕前が上達してくると、テレビゲームではない、本物のトランプを使った本格的なポーカーに引かれ、いっぱしのギャンブラーを気取るようになります。
 セブンスタッドポーカー、ハイロウポーカーといった特殊なポーカーをするために、常連客たちゲームセンターに集い、「レイズ!」「コール!」「ダウン!」といったかけ声とともに、明け方までゲームに興じていました。
 ルーレットをはじめとするそれらのゲームは通常、千円単位のチケットを購入してから、さらにチップと交換してゲ−ムに参加します。
 信じられないかもしれませんが、決して金銭を賭けることなく、純粋なゲームとして楽しまれていました。囲碁・将棋センターの感覚です。
 仮にルーレットで一つの数字に賭けて当たったとすると、35倍の配当がつきます。運がよければ千円のチケットで何時間も遊ぶことができました。逆に何をやっても裏目、裏目と出てしまうと、遊びといえども熱くなって、数万円をゲームセンターのチップに換えてしまう人もいるほどでした。
 「当たった配当は、どうなるの?」という疑問は当然ですね。増えたチップで、またゲームをするわけですが、たくさんたまったら、「ストック」といって店に預けて帰ります。次回からは、コインゲームと同様、預けたチップを貯金のように引き出すことによって、お金を使わずに遊べるわけです。純粋なゲ−ムでした。
 その後、インベーダーゲームが爆発的にはやり、1台でも多くのインベーダーゲーム機を導入するため、ルーレット台のような大きなテーブルはゲームセンターから姿を消すことになりました。
 そして、紆余曲折があり、『風適法』の許可によるゲームセンターとしての「カジノ」が出現しました。
 石原東京都知事は、次の知事選への立候補表明の中で、「現行の法律の枠内でカジノの実験を実施する」と言っています。はたして、どのようなものになるのでしょうか? ―― お台場にレストラン・シアタ−と融合したカジノが出現するかもしれません。





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