続々ふうえい裏話 11


ビルオーナー<2>

   「8号営業なんですが申請手数料はいくらかかりますか?」 電話帳を見てのものと思われる電話がありました。いきなり料金の問い合わせから始まる電話には、仕事には結びつかないものが多くあります。外国人の方の問い合わせの多くは用件を話す前にいきなり「イクラデヤッテクレルカネ?」から始まります。私達行政書士の仕事には色々な手続きや申請があり、それぞれ難易度、処理日数の違いなどの用件により個々の報酬額も違ってきます。どんな申請をするのかも判らずいきなり報酬額について答える事は出来ません。「8号営業の申請で・・・」といわれても、店の立地(許可が出る場所かどうか)や店の広さ、業務内容、個人申請か法人申請かによっても難易度が違ってきます。「8号営業といってもどんな内容ですか?」と私が電話の主に聞くと、「アミュ−ズです。」との答。このての人達の「アミュ−ズ」とは、往々にして「賭博機」を意味します。ことさらアミュ−ズメント(娯楽)を強調する場合はかなり怪しい業種と考えて良いでしょう。「ところで何処の場所で広さは?、知り合いの行政書士はいないのですか?」と聞いてみると、「新宿の地下2階、約30坪の店で、実はビルオ−ナ−から紹介された行政書士がいます先生の費用が家賃の1ヵ月分と言われましたが高くありませんか?」 家賃1ヵ月分の申請手数料?・・・「ところで家賃はいくらなんですか?」「月300万円です。」「え、えっ!さ、さんびゃく万円ですか?!」 申請手数料が300万円なんてことは考えられません。ましてや30坪の店の家賃が300万円だなんて!! 後でこのビル名とオ−ナ−が判り、以前仕事での接点があったオ−ナ−で、新宿に数棟のテナントビルを所有しているガメツ−イ人でした。表向きは地元の防犯協会や交通安全協会に加入していて、先代は警察署から表彰状も貰っている人なのに。このビルオ−ナ−は怪しそうな業種には足元をみて小さな店舗にも100万単位で平気に高額な家賃を設定する人でした。自分のビルテナントで事件が起きても「そんな悪い店だったのですか?」ととぼけるそんな人でした

(次号へつづく)






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