続々ふうえい裏話 2


組長<2>

 知人の行政書士と新人の女性行政書士に呼び出され、オ−バ−ステイの外国人の結婚問題で行った先は下町のカラオケバ−。バ−のママの他には店の開店準備をしている中国、韓国それにフィリピンの女の子の3人。カラオケバ−というよりは多国籍バ−といった感ママに通されたボックス席には既にスポンサ−だという、髪の毛と小指の短い体格の良いおじさんが待っていて、「お世話になります。」と丁重なご挨拶。オ−バ−ステイの女性と「2年間のおつとめ」を終えたばかりの日本人の男性の面倒をみてあげるのだと言う。知人の行政書士と女性行政書士は緊張からか体が固まった様子。どう考えても偽装結婚と思われるこの案件について、私は率直に無理な案件ですとお答えをすると・・「う−ん、やっぱりやつでは無理ですか・・・。」「我々は地元警察にも感謝されているんですがね−。このまえも関西を追い出してやったばかりなんですがね−。」と訳の分からない話。と突然、「おい、太郎!」「おまえ独身だったな。年上の女房もいいもんだぞ!」と傍らに若い衆を呼び付けると、「明日にでも区役所に行って住民票と戸籍謄本をとって来い。と命令口調。「はあ!?」呼ばれた太郎君は状況が読めない様子。あまりク−ラ−の効いていない真夏の店内で、カラカラっと氷の入ったグラスの音が。見るとウ−ロン茶の入ったグラスを手にした女性行政書士の体が小刻みに・・・「あら、寒いかしら?」とママ。 出所したての部下がだめなら、別の若い衆がオ−バ−ステイの女性の結婚相手ではどうかという。そんなでたらめな結婚で入管に在留特別許可の申告などできるはずがありません。出来ないものは出来ないと言わないと大変なことになってしまいます。こんな案件にいつまで付き合ったところで良いことなど何もありません。次の打ち合わせがあるということでその場を離れようとすると、「おい、太郎! 事務所へ行って先生方にキムチの漬物のお土産をお持ちしろ!」。頂いたお土産の袋の中には、和紙に太字の筆書きの名刺が添えられていて、○○会・△△一家・××組 組長□□ 書かれた名刺が・・・ 

(次号へつづく)






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