組長＜３＞
繁華街での若い男たちの小競り合い。片方の男が「お前ら何処の組の者だ！」。パンチパ−マをかけた男が「くまがい組だ！」・・・「くまがい？」・・・「熊・谷・組」。 元プロ野球選手のパンチ佐藤さんがまだ社会人野球で建設会社の「熊谷組」に所属していたときの逸話。そんな「熊谷組」や映画の「黒沢組」ならばいいのですが・・・。 下町のカラオケバ−でもらった名刺には○○会・△△一家・××組 組長□□ 書かれた名刺が・・・ 今時、こんな名刺を差し出すと「暴対法」で逮捕されかねないのに。 想像通り、髪の毛と小指の短い体格のいいおじさんは、暴力団の組長さんでした。その後組の若い衆から一度電話があったものの、怪しい結婚話はそれで終わりとなりました。 風俗営業の許可、外国人の在留資格についての入管申請、産業廃棄物についての許可、古物商、貸金業といったありとあらゆる許認可に怪しい人達の顔が見え隠れします。 以前、私の新宿事務所の隣に、○○商事という看板があがったことがあります。歌舞伎町の裏手に位置する大久保地区は、水商売で働く外国人の居住地区となり、また悪徳商事の事務所が開設されることもしばしばです。私の事務所の隣にも悪徳商事がやって来ました事務所開きの前日にはご挨拶ということで、お相撲さんのような大きな身体のお兄さんがにこやかに、ご近所に品物を配っていました。そんな品物を受け取ってよいのやら、近所の皆さんは困っていたようです。そして翌日、黒塗りの高級外車が続々と、黒いス−ツに身を包んだ人達が次々にお祝いに駆けつけて来ました。一方通行の細い住宅街の路地の入り口と出口では、決して交通課とは縁のない、がに股歩きのお兄さんが交通整理を行っていました。翌日悪徳商事のお兄さんが興奮気味に「いや−、昨日は凄い人達が来たんですよ！ めったに会える人達じゃないんです。オ−ルスタ−です！！」。その後この組事務所が家主ともめて出てゆくまでに３年近い月日がかかりました。平成４年３月からは暴力団対策法が施行されています。健全な街創りに私達自身も協力しなくてはなりません。
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